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耳の洞窟

かさぶた

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かさぶた

私は耳をいじるのが好きだ。
耳を刺激しすぎたせいで、
透明な耳汁(と、勝手に呼んでいるもの)が出てくる。
そして、それが固まってかさぶたが出来ている。

今は、「細い精密ヤスリ」を耳穴に差し込んでいる。
耳穴のうぶ毛にヤスリがコソッと触れる、
もぞもぞと動かすと痒みが出でくる。痒い、痒い。
もぞもぞ、もぞもぞ、
この痒みを我慢するのがたまらなく良い。
背筋がうねるぐらい我慢した後に、
おもむろに掻くのがたまらなく快感だ。

もっと奥に差し込むと
ジャリッ ジャリッ と、鳴った。
やはりかさぶたが出来ているようだ。

私はどんなかさぶただろうかと想像してみた。
茶色の普通のかさぶただろうか、
それとも、黒色で頑固に固まったかさぶただろうか。
私は黒色のかさぶたが気に入った。
なんせ、耳の中は見えないのだ。
勝手に決め付けてもいいではないか。
黒色のかさぶたは厚みがあり、
もりあがっていて、頑固にこびりついているであろう。
私はそれを剥がしたくないような、剥がしたいような
気持ちになった。
しかし、かさぶたが取れてしまったら耳汁がたれてくる、
それはあまり気持ちの良いものではない。
とても剥がす気にはなれない。

かさぶたの上から
コリコリコリコリと小刻みに掻く。
耳壁の皮膚が薄いのだろうか、
頭蓋骨にコリコリと響く。
コリコリコリコリコリカリカリカリカリ...
かさぶたを剥がさないように
かさぶたの硬い部分の上から掻く。
こめかみから頬にかけて痙攣してくる。
ビリビリと神経が快感にふるえている。
コリコリコリコリコリッ....コリッ..
やけに大きく響く、しかし心地良い。
痒いような痛いような微妙な感覚が生まれる。
かきむしりたくなったが、私は我慢した。

ゴリッと頭蓋骨に響いた。
少し力が入りすぎたようだ、
かさぶたの根元が剥がれかけたのだろうか。

かさぶたがコリッと音を立てて
ペリッと剥がれ落ちるのを私は想像した。
私は誘惑に負けそうになった。
とうとう私はかさぶたを剥がす決心をした。
しかし、普通に引き剥がすと痛いだろう。
よく消毒した鋭い金属の耳掻きで
かさぶたの周りをこすってゆく。
コリコリコリコリコリ..
かさぶたの周りが少しずつめくれていく。
根気よい緻密な作業だ。
コリコリチョリチョリ..

かさぶたはいよいよピロピロと不安定に
揺れだした。
ポロッ..
水分がワッと耳の中に広がると同時に
かさぶたが落ちた。
水分は「耳汁」であった。

私は消毒液を含ませたガーゼをすぐさま
ピンセットで耳の中に入れた。
シュワッと音がして傷口を消毒する。
ピリピリと痛みがする。

かさぶたは案の定、黒くて厚い頑固な外見をしていた。
私は手のひらの上で転がしてみて満足した。
少し後悔したがもう剥がしてしまったのだ、
仕方が無い、耳掃除を当分の間は自粛せざるを得ない。
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