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耳の洞窟

耳掻き小説(完成品)

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耳掻き小説(完成品)

耳かき小説。

「ねぇ、ミルフィーヌ。ちょっと見てもらいたいものがあるんだけど」
「美由紀と呼んでください。綾音様。……で、何を見てもらいたいと?」
 私、天宮綾音こと、プリシア・フィメル・タイクーンは、私の身の回りの世話などを務める補佐官のミルフィーヌ(といっても、同級生の女の子だ)の部屋に入り、机で読み物をしていた彼女に近寄ると、手に持っていたティッシュを広げ、机の上に置いた。
「一人で運動していたら、耳から耳垢が出てきたんだけど」
 そのティッシュの中心には、黄色い大きなチリのようなものが収まっていた。
「あー……これは大きいですね。……姫様、最近耳掻きしてもらいましたか?」
 私はしばらく、時間をまき戻すように思い出していたが、
「ううん、地球にやってきてからは、全然」
 と首を横に振った。
 私、プリシアは、大誓約と呼ばれる約束の下、アークシャードと呼ばれる異世界から、私の夫である勇者の須賀悠人さまや、その仲間の姫勇者たちと一緒に、地球に暮らしているのだ。
「地球にやってきてからは、あれこれ忙しかったですし……。耳掻きなんて、忘れていましたし」
 私が頭をかくと、ミルフィーヌ、いや、美由紀は、
「じゃあ、姫様。みんなの中から耳掻きが上手い子を呼び出して、耳掻きしてもらいましょうか」
 とおっしゃいますので、
「え、ええ……」
 表向き、断る理由はないので私は縦に首を振りました。
 でも……。
 困りましたわ……。
 実は私、耳の中とかが敏感なのです。
 どんな感じに敏感なのかというと……。
 その……。
 なんていいましょうか……。
 こちらの言葉で言う「エロい」とか、そういう感じ、なんです……。
 耳掻きをするのはいいんですけど、もし逝ってしまったのがばれたりしたら、私、どうすれば……。
 そう思う間もなく、美由紀はてきぱきと携帯に電話し終えていた。
「姫様、耳掻きをしてくれる子がいますって。何でも彼女、耳掻きの名人だとか」
「耳掻きの名人……」
 そう言って安心した顔を見せる美由紀だったが、私は逆に心の奥底で不安げになった。
 ど、どうしましょう……。
 耳掻きの、名人……。
 そんな人に耳掻きをされたら、私、どうなっちゃうか……。
「……あれ、なにあたふたしているんです? もしかして……」
 と美由紀が問いかけようとした時、部屋のチャイムが鳴った。
「あ、来た」
 そう言って彼女は椅子から立ち上がると、部屋のドアへと駆け足で向かった。
 ああ、どうしましょう……。
 心臓のどきどきが早くなっていくのが、わかります……。
 そして、すぐに美由紀は、一人の、左右に髪を分けた、女の子を連れてきていた。
 その姿を見るなり、私は、
「あれ、規子さん……」
 と驚きの声を上げた。
 彼女は、違うクラスだけど同学年の、規子・カーネシアだった。
 彼女はアークシャード人と地球人とのハーフで、地球で生まれた子だった。
 右手には、一方の先端に白いふわふわのついた耳掻きと小さなライトを持っていた。
「姫様、ごきげんよう」
 そう言って深々と一礼する規子さん。
「ご、ごきげんよう」
 私も礼儀の建前、お辞儀をする。そして、
「規子さん、耳掻きが得意だったんですか……」
 と言葉を続ける。
「ええ」
 規子は満面の笑みを見せ、
「家族が多かったおかげで、弟や妹に耳掻きをしていて、得意になっちゃったんです」
 と胸を張った。
「そ、そうなんですか……」
「最近では、学校とかで耳掻きのアルバイトをしているんですって。規子が耳掻きをすると、どんな人も気持ちよくなっちゃうんですって」
 と、美由紀がさらに付け加える。
「な、なるほど……」
 私が小さく縦に首を振ると、
「あれ? 姫様? ますます不安な顔になってますよ?」
 美由紀が私の顔をのぞき込む。
 そ、そんなに近寄らないでよ……。
 もしかして、わかっているの?
 私の性癖……。
 そう思ったのを知ってか知らずか、美由紀は、
「姫様。ここは黄金竜に守られた気分で、安心して耳掻きしてください。さ、横になって」
 と満面の笑み。
 その言葉と同時に、規子が正座で床に座る。
「み、美由紀がそこまで言うなら……」
 私は不安な心を隠しきれないまま、耳掻きに臨むことになった。
 ど、どうしましょう……。
 逝ってしまったら……。

 規子の膝枕に、私は頭を乗せた。
 いよいよ耳かきだ。
 規子は手元の小さなライトの底のボタンを押し、明かりをつけた。
「姫様、失礼いたします……」
 規子はおもむろに私の耳を指で触り、ライトで照らしながら、耳の奥をのぞき込んだ。
 耳を指で触られ、鼻息が耳の中に入ると、もう感じてしまう。
 耳たぶが、熱い。
 それを知ってか知らずか、規子が明るい声で報告する。
「ああ、いっぱいですねー。耳垢。大きいのもありそうですね」
「そんなに……」
 たくさん、耳垢が私の耳の中に溜まっているのですか……。
 そう思ったときである。
「安心してください。わたくしが、全部耳垢を取って差し上げます」
 そう言いながら、さわさわ、と横の髪の毛を撫でた。
 あ……。
 撫でられて、軽い何かが体を走る。
 思わず、体を硬くする私。
 それを見て取ったのか、規子は、
「緊張しておりますわね、姫様。ほら、もっと力をお抜きになってください」
 と言いながら、手を耳へと動かし、耳たぶに触れ、やわらかく揉む。
 そして仕上げに、耳元にふぅー、と息を流し込んだ。
 ああ……、うん……っ。
 その一連の行為で、私の体は、ぐんにゃりと柔らかくなる。
「さて、はじめましょうか」
 私の体を見て、にっこりとした規子の声が上から飛んできた。
 ああ、始まるんだ。
 そう思う間もなく、私の耳にそっと手を添えると、規子の耳かきが入ってきた。
 ガゾリ……、というこもった音が聞こえた。 
 規子が手を動かし、さじで、耳の壁をゾリゾリという音と共に削られたその瞬間。
「あっ!」
 体に電流が走った。
 この感覚。
 体のある部分が、もどかしくも心地よくて、たまらない……。
 悠人様と、交わっている時の感覚。
 あの感覚だ。
 なんとも言えない快感に、たまらずわずかに、体のあちこちをくねってしまう……。
 何度か耳壁を削り、それから耳かきをそっと引っこ抜いた後、規子が訊いてくる。
「どうですか、姫様?」
 そう言いながら、目の前のティッシュに、耳さじに載せた耳垢を落とす。
 さじに山ほど載せられた白銀の山は、ぱらぱらっと、白い紙で出来た雪の平原の上に落ちた。
「き……」
「?」
「気持ち、いいです……」
 顔が熱くなるのを感じながら答えると、
「それはよろしいことで」
 満面の笑みを見せ、規子はもう一度、耳かきを耳穴の中に入れる。
 それが、私には、悠人様の大事なものが、私の大事なところへ入るように思えた。
 サグッ、と鋭い音が一つしたそのあとで、軽快なサクサクという音が、耳の中で反響している。
「あっ……」
 気持ちいい……。
 サクサクという音がするそのたびに、軽い刺激が、全身を撫でている感覚に襲われる。
 わたしの股間を、悠人様の一物が突いているよう……。
「ああ……」
 胸の二つの乳頭が、硬くなり、盛り上がるのが感じられる。
 刺激が終わると、鳥の翼が持ち上がるような音がして、規子は耳かきを取り出す。
 そしてまた紙の雪原に、白銀の山をばらまく。
 私にはそれが悠人様の大事なもので、私の大事なところの中の液体などをかき出しているように見えてならなかった。
 いけない人ですね、私って……。
 規子は知っても知らぬという風に、黙って耳かきを耳の中にまた入れる。
 軽快なサクッ、という音がまた繰り返される。
「う、う~ん……」
 そして、また快楽が私の体を襲う。
 私は体を、規子の迷惑にならない程度によじる。
 それが繰り返されるたびに、耳垢の質が変わってくる。
 具体的に言えば、どんどん質感や色が褪せ、古くなっていく感じなのだ。
 宝物庫の奥のほうにある宝が、どんどん古くなっていくのと同じように。
 そして私の体を駆け巡る快感も、どんどん掘り出され、だんだん深く重く、濃密な快楽へと移り変わっていった。
 しばらく耳を掻いてもらっていると、突然、コリッ、っという硬い音に変わった。
「あっ」
 カリカリ、コリッ、コリカリという震える音の連続。
 耳かきのさじで、耳垢がこびりついた硬い壁を削る音と共に、体中、手や足の指の先端まで、しびれるような快感が伝わる。
 もうその快感たるや……。
 ああ、イキそう……。
 そのとき、一端規子の手が止まった。
 ?
「どうしたのですか?」
 私が恐る恐るたずねると、
「最後に大きいのを、これから取りますね」
 規子はそう言って、耳掻きの動きを変えた。
 コリコリコリカリッと、小気味いい音をさせつつ、ほじくっていく。
 そのほじくりに、膣がぎゅうっとしぼむ。液体が奥からにじみ、濡れる。
 体が、軽く宙に浮き、ブリッジを描く。
 気持ちよさすぎて、自然に口が開き、
「あ、あ」
 と、嬌声がわずかに漏れる。
 よだれが口からわずかにこぼれているのさえ、わかる。
 この快感の中で、もう恥じらいや理性は、全く意味がなかった。
 どれぐらい経っただろうか。
 耳掻きが、持ち上がった。
 大きな何かが、耳穴を通っていく。
 何かが、耳壁とぶつかる。
「あ」
 そして、何かが出て来た瞬間。
「ああ……」
 私の口から嬌声が自然と流れ、全身を快感がびりびりと走る。
 膣が引き締まり、その間から液体がだばっと漏れ、股間が濡れた。
 体が、床と膝の上に落ちる。
 息も絶え絶えに、上を見ると、何かが出てきた。
 それはまるで、大きな棒型の金色のパン。
 ああ、こんなものが、私の中に入っていたのね……。
 うっとりした表情でそれを見ていると、規子がおかしな顔をして、
「どうしたんですか、綾音様?」
 と訊いてきたので、
「いえ、なんでも……」
 私は慌てて、顔を軽く横に振る。
 規子は、今度は耳かきを、ふわふわの毛の付いた方に持ち替え、仕上げに入った。
 細い糸で、形はまん丸で、毛はわき立つような白。
 規子が、耳を毛玉で触れ、掃いてくれる。
「あぁ……」
 気持ちいい……。
 やわらかい風の中にいるよう……。
 耳を掃いてくれる音が、心地よく、官能的ね……。
 さらにふわふわの毛で、首筋を上下に撫でられる。
 ううっ。
 また、感じてしまいます……。

 その後で規子は、もう片方の耳も同じやり方で、丁寧に掻いてくれた。
 そのたびに刺激が全身を襲い、しまいに私の体はブリッジをわずかに描き、逝った。
 そして最後に規子はもう片方の耳も、毛玉でさっぱりと掃いてくれた。
 こうして、私の耳かきは終わった。

 私が恍惚とした顔でいると、美由紀がにやっとして訊いてきた。
「綾音様、もしかして、耳かきでイカされたとか?」
「そっ、そんなことないですっ!!」
 鏡は見てなかったが、わたしの顔は、確かに赤かっただろう。
 ああ、下着を替えないと……。
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